京町家１軒借り切り、情緒満喫 西陣庵 相国寺庵

　町家は京都の歴史と文化の象徴といわれる。その京町家を一軒そのまま使って、１泊からでも宿泊できる施設が京都市上京区にある。宿泊料金は１泊１万７８００円からで、インターネットで予約が可能。ホテルのように利用できる。普通に借りれば月額数十万円という高価な町家だが、リーズナブルな値段で、簡単に京情緒の宿泊を満喫できるのが魅力だ。

　この町家は、京都御所西側の一条通沿いの「西陣庵」と、京都五山の一つである相国（しょうこく）寺北側の「相国寺庵」。いずれも２階建て。

　西陣庵は１階に６畳の部屋と台所、坪庭（つぼにわ）、２階に７畳と５畳の部屋がある。静かな住宅街に建ち、隣は喫茶店。京都御所までは徒歩約５分で、晴明（せいめい）神社、樂（らく）焼の作品などを展示する樂美術館、西陣織会館、京都府庁などに近い。

　相国寺庵は１階に４畳半の和室と台所、坪庭、２階に４畳半と３畳の和室がある。同志社大や同志社女子大、賀茂川にも近い。

　２つの町家を運営するのは、ホテル運営会社のアリストクラシーホテル＆リゾート（東京都目黒区、伊藤泰斗社長）。平成１０年に設立され、「小規模な最高級リゾートホテル」の運営を目指している会社だ。同社では、オーナーから町家を借りて、改装、宿泊施設として運営している。

　寝るのはふとん。風呂やトイレは現代的で、温水洗浄便座も付いている。台所でガスを使って料理はできないものの、錦市場やデパートで買い物をして、ポットでお湯をわかし、家の中で食事を楽しむことはできるという。また、周辺には銭湯もある。

　テレビや冷蔵庫、空調設備、タオル、せっけんなどもホテル並みに備わっている。

　宿泊の予約は楽天トラベルのサイトから。ホテルや旅館を予約するのと同じやり方で、予約がすむと、町家の玄関を「暗証番号」を使ってあける方法がメールで連絡される。普段、町家にはスタッフは常駐していないので、外出するときなどは暗証番号を使って玄関を開閉するしくみだ。

　空いた町家をリフォームして店舗や住まいにしたり、町家を使ってイベントを行ったり、町家の利用は注目を集めている。京都市も町家を保存・継承する活動を支援している。


Yahoo！ニュースより引用